建築写真撮影で使用するカメラ・レンズについて

住宅の竣工写真を撮る際、建物の持つ美しさや設計の意図を正確に捉えるには、カメラマンの技術だけでなく、使用する機材選びが非常に重要になります。

AI時代においても代替できない、高精細で臨場感あふれる建築写真を追求するため、私は最適な機材を選定しています。

建築写真撮影に適した大型センサーを搭載したカメラ

建築写真撮影においては、内観と外観の輝度差が激しかったり、限られたスペースでの広角撮影が必要になったりと、カメラにとって非常に厳しい条件下のシーンが多々発生します。

そこで、弊社では、高精細かつ広いダイナミックレンジで撮影が可能な大型センサーを搭載したカメラを選定しています。具体的には、民生機としては最大のCMOSセンサーの一つを搭載している富士フイルム GFX100を使用しています。

大型センサーを採用することで、以下のようなメリットがあります。

建築写真と聞くと、空間を広く見せる「広角レンズ」を連想されるかと思いますが、一口に広角といっても様々な種類があります。
プロの建築写真では、建物の垂直線を正確に捉えるために、シフトレンズの使用が不可欠です。

弊社では、垂直方向の歪み（パース）を補正しながら撮影できるシフトレンズをはじめ、写真周辺部のディストーション（歪み）が少ないレンズを選んで使用しています。

17mmという超広角のシフトレンズであり、特に狭い室内や日本の住宅撮影でその真価を発揮します。
大型センサーであるGFX100に組み合わせることで、非常に広い画角を活かしつつ、建物の垂直を厳密に保った撮影が可能です。

こちらは24mmの広角シフトレンズです。フルサイズ機で使用すると24mmは広角レンズとしては画角が狭く、使いにくい印象を持つ方もいますが、GFX100の大型センサーで使用すると、より広角な約19mm程度の画角として活用できます。

TS-E17mmよりも高い解像力を有する印象があり、フィルター径が82mmであるため、フィルターワークが容易な点も現場での利便性を高めています。

12mmから24mmという超広角域をカバーするズームレンズです。
12mmという画角は、トイレや浴室などの非常に狭い部屋を撮影する際に、空間全体を写し込むために大きな力を発揮します。

ただし、12mmはパースが非常に強く出るため、建物の印象を損なわないよう、使い方には細心の注意が必要です。
なお、GFX100で使用する場合、焦点距離によっては画面の隅がケラれてしまいます。（写らない部分ができる）

これらの標準域のレンズは、建築写真におけるクローズアップ撮影で活躍します。
設計された照明器具のディテール、こだわりの家具、素材の質感など、建物の重要な要素に焦点を当てて撮影する際に使用します。
また、人物を配置した撮影にも適しています。

結論から言うと、どのようなカメラでも「撮影」自体は可能です。
しかし、建築写真に適していない機材（特にシフトレンズがない場合）で撮影した場合、後処理の工程が大幅に増えるのが実情です。

具体的には、パースの歪みを現像ソフトやPhotoshopで補正する作業が必要になり、この後処理の際に画質の劣化を招くリスクもあります。
また、シフトレンズがない場合、撮影現場で垂直を補正した後の最終的な仕上がりを正確にイメージしにくいというデメリットもあります。

プロの機材と技術は、後処理の負荷を減らし、最高の状態で建物を記録し、永続的な価値を生み出すために必要不可欠なのです。

私は、山梨県・長野県エリアを中心に建築写真を専門に活動しています。
貴社が手がけられた大切な建物の魅力を最大限に引き出すお手伝いをいたします。

地元カメラマンの強みの一つとして、細かな撮影、細かな撮影内容に対応できることがあげられます。
建築写真は天候の調整が難しい面もありますが、弊社では撮影日程についても柔軟に対応可能です。
もちろん全国出張も可能です。

金額や撮影内容のご相談はメールにて受け付けております。お気軽にご相談ください。

高品質な竣工写真をお探しの工務店様、住宅メーカー様は、ぜひ一度ご相談ください。